#4 河田岳晴×岡崎考起

淡路島ウォリアーズOB対談#4 河田岳晴×岡崎考起

Release date 2025.6.16
OB対談
写真:(左)河田岳晴(右)岡崎考起
2023年はチームメイトとして共に戦い、2024年は同リーグの別球団、2025年は別リーグでプレーする2人。
河田岳晴は北海道「KAMIKAWA・士別サムライブレイズ」で、岡崎考起は兵庫「姫路イーグレッターズ」でそれぞれ現役を続けている。
遠く離れていてもお互いに刺激を受けながら、あの時も今もずっと"仲間"であり続ける。
苦しさを力に変えて前を向き続けている今、どんな思いで戦っているのでしょうか。

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2024年シーズンの軌跡

岡崎:2023淡路島球団と2024姫路球団、合わせて関西独立リーグ2年のシーズン。2年目はもう少し成績が出したかったなという気持ちがあります。成長した部分や技術が上がったことも実感はできましたが、思ったほど結果が出なかった。古巣淡路島ウォリアーズからもホームランを打ちたかったなと。ただ、2024年打った本塁打1本がものすごく激熱展開で!5対2、3点ビハインドで迎えた9回裏、二点本塁打で5対4、そのあと1点追加で延長戦に持ち込みました。自分の中では人生で一番いい打球だったなと。溝端選手(兵庫ブレイバーズ)から打ったのも自信になりました。

河田:兵庫球団の溝端投手といえば球の速い投手。ソフトバンク戦でも三者三振を奪ったりしていたもんね。

岡崎:僕は、特に河田さんがいる和歌山ウェイブス戦ではむちゃくちゃ打ったと思います!

河田:岡崎は、のびのびとやっていてうらやましいなぁと思っていました。体も大きくなっていたし。姫路球団のトライアウトでは、岡崎は唯一本塁打を打っていました。僕は、淡路島球団を退団して、野球は辞めようと思っていたんです。その時、球団の方から、和歌山で野球をしませんかというお誘いをいただき、練習に参加しました。和歌山には特別な思いがあります。淡路島時代、骨折をした時も淡路佐野球場で激励の声をかけてくれていたのが和歌山球団のファンのみなさんだったんです。でも2024シーズンは本当に辛かった。岡崎とは結構連絡を取り合っていました。

岡崎:はい、よくLINEが来ていました。河田さん、結構病んでいましたね(笑)

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淡路島ウォリアーズ
目標が名前になって響いた瞬間
岡崎:入団のきっかけは、リーグ全体のトライアウトを受けて、淡路島ウォリアーズから指名していただきました。11月に、くら寿司スタジアム堺で開催された、第1回の合同トライアウトです。

河田:僕は、12月の花園セントラルスタジアムでのトライアウトを受験しました。受かった時は本当に嬉しかったです!無理だと思っていましたから。大神さんが1巡目、僕は2巡目に呼ばれました。

岡崎:名前を呼ばれるなんて人生で初めての経験なので、すごく嬉しかったのを覚えています。僕は3番目に呼ばれました。ニヤニヤしながら「はい!」ってきっと言っていたと思います!本当に不安だったので。NPBでいうと3人目に呼ばれることは上位ですが、関西独立リーグの指名は数人で終わることが多いので、厳しいかと思いました。初めて来た関西で、嫌な思い出になったら悲しいななんて思いながら。

河田:実は、前から憧れていた大神さん(淡路島1期生)も来ていて、キャッチボールをすることになったんです。「前から観に行っていました」と伝えました。いわゆる大神ファンです。実は、観戦スタンプラリーも達成したくらい行きました(笑)大神さんが悩んでいたのち、3割打てた時のフォームがすごく大好きで。入団してから寮でサインまでもらってしまいました!仲良くなれてよかったです。

岡崎:”ファン”から同じチームでプレーする”選手”になったのはすごいことですよね。僕も最初の関西での入団が淡路島でよかったって思っています。

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関西で交差した、関東出身の二人

河田:岡崎とは、淡路島時代から仲が良かったです。でも、最初から仲が良かったわけではないんです。なぜかある日、岡崎の良さに気付いて、想像以上にいいヤツで、後輩の中でも飛び抜けていました!4月頃、気付いたような気がします。

岡崎:河田さんは…最初は感じが悪かったです(涙)

河田:えー!ショックなんだけどー(笑)

岡崎:先輩なので、自分から積極的にいってはいないんですが、いつの間にか仲良くなっていて。一緒にいることが多かったですね。差しでも行けるくらい!とても優しい先輩でした。

河田:そういえば、山路(淡路島1期生)と3人で韓国料理屋に行ったね!楽しかった。

岡崎:年上の先輩とは思えないほど話しやすくて。なかなかそういう人にはめぐり逢えないですよね。僕は茨城県出身、河田さんは神奈川県出身ということで、関東同士というのもありました。

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淡路島ウォリアーズ
次の道へ
河田:2023年のシーズンを終えて、次のシーズンも続けるか迷っていましたが、和歌山球団からのお話をいただいたので、独立リーグの世界でもう少しやりたいと思いました。野球ができる環境を与えてくれる球団があったことに驚きを隠せなかったです。環境を与えてくれた和歌山で感謝の気持ちを込めて野球をしたいと思いました。

岡崎:僕は、淡路島に残るか他球団に行くかと考える中で、堂本代表からはいろんな世界を見てきなさいという意味で、自由契約という形を取ってくれていました。もしダメだったら戻って来いと温かい言葉を受けて、それを行動に移しました。姫路球団の単独トライアウトを締切日に申し込みました。

河田:僕も同じリーグ内の球団への移籍だったので、淡路島でのゲームももちろんあります。その中で印象に残っているのは、2024年8月。ゲストとして、1期生の吉野さん、浦谷が来場した日のことです。仲間との再会は最高にうれしかったです。

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岡崎考起
2025年も限界のその先へ
河田:2025年シーズンから、僕は北海道フロンティアリーグ、KAMIKAWA・士別サムライブレイズでプレーをしています。関西と北海道では、野球スタイルも違うし、リーグのバッターも違う、各球団外国人選手がいる。特に士別は外国人が多いチームです。コミュニケーションなど、難しいところもあり苦戦しますが、それも良い経験だと思ってやっています。今年からキャッチャーにコンバートして始まったシーズン、練習中に左腹斜筋肉離れを発症して、中々試合に出ることが難しい時期が続きました。チームメイト、そして、本西監督の支えがあり、なんとか、前を向き孤軍奮闘しています!

岡崎:僕は姫路球団での2年目のシーズンを迎えて、チームとしても新戦力が補強された中で、結果を残すのも簡単ではないと感じています。シーズン前に少し体調を崩した時期があり、いろいろ考えて不安になりました。それまで少し無理をしていたかもしれません。その前のオープン戦がうまくいきすぎていたので、開幕に向けてまた危機感をもって必死になれてよかったと捉えました。

河田:北海道は雪が降る時期が長いので、フロンティアリーグは期間が短いんです!プレーできる時間も本当にわずかです!今は無事に復帰をしてプレーできています。怪我の恐怖心を乗り越えつつあるので、もっともっといい姿が見せられるように努力したいです。

岡崎:河田さんとも今シーズン話すこともあります。結果を残していくのは大変ですが、淡路島のメンバーと話していると頑張ろうと思える宝のような存在。シーズンを完走して次のステージへ繋げられるよう、僕もひたすら努力するのみです。

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淡路島ウォリアーズ
淡路島がくれたもの
岡崎:朝起きて晴れていた時のリゾート感。とてもいいんです。寮で暮らしていると、ゆっくりした時間が流れていました。穏やかな海を見て。海風に包まれ、時がゆっくりと流れる静けさに心がほどけていく。この年齢で、この感情を知ることができたのがよかったです。気持ちのいい時を過ごしました。野球をする環境も本当によかったです。

河田:僕は、お隣の洲本がお気に入りです。ごはんが食べられるところもいろいろあって、すごくよかったです。いわゆる観光地も好きです。イングランドの丘やモンキーパーク、徳島県の鳴門のうずしお。南あわじでは、野生のいるかが見られたりもするんです。島全体で遊べる楽しい空間。そして何より人がいい。全てが揃っている空間でした。

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淡路島ウォリアーズ
目標。再び会える日まで
岡崎:仲間ができたことがよかったです。たった一年でこんなに一生の友達ができるなんて思いませんでした。いまだに連絡もします。高校時代は3年間一緒ですが、そんな3年間よりも濃い親友ができた。仲間の活躍が刺激にもなっています。

河田:関東出身ですが、関西が大好きです。関東にはないおもしろさがあったから。淡路島球団に入って、仲間もそうだし、NPB出身の指導者の方に教えてもらい、人との接し方や社会での対応の仕方も学んだ。人に見られている中で野球をするのは大変だし、神経を使いながら生活するのもこれも大変なこと。人間関係や組織のこと、独立リーグのお給料でやりくりをすることでお金の大切さも学びました。人生の中でとても貴重な体験ができた一年でした。

岡崎:2025年シーズンもいよいよ半分を迎えようとしていますが、今までよりもっといい成績を残したいという思いです。将来的には、藤本颯太みたいにくふうハヤテベンチャーズ静岡に入団したいです。赤堀さんにもパワーアップした姿を見せたいです。

河田:そうだね、赤堀さんは本当にいい監督だったので感謝しています。赤堀さんは、自分の気持ちを素直に言ってくれる方。骨折が治ってから試合にも出させてもらって、いろんなことを勉強させていただきました。

岡崎:関西独立リーグは今年、IPBL(日本独立リーグ機構)に加盟をしたので、チャンピオンシップにも出場する権利があります。上の舞台で河田さんと会えるように夢中で野球に取り組みたいです。

河田:淡路島での一年を無駄にしないように、北海道で活躍して淡路島の人たちに恩返ししたいです。そして、岡崎をはじめ、淡路島で一緒にプレーしたみんなと上の舞台で会えたら最高です。僕も、こんな大切な仲間が大人になってできると思わなかったですから。

岡崎:河田さん、上のステージで会いましょうね!

河田:そうだな!必ず会おうな!

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河田岳晴(かわだたけはる)
1998年4月14日生まれ。27歳。神奈川県出身。内野手・捕手。
麻生総合高校から神奈川大学へ進学。一度社会人を経験し、淡路島ウォリアーズへ1期生として入団。その後、和歌山ウェイブスに移籍し、現在は、北海道フロンティアリーグ、KAMIKAWA・士別サムライブレイズに所属。
岡崎考起(おかざきこうき)
2000年10月26日生まれ。25歳。茨城県出身。外野手。
水戸商業高校時代は県大会ベスト4に進出。卒業後、奈井江空知ストレーツを経て、淡路島ウォリアーズ創設1年目にプレー。現在は、同リーグ、姫路イーグレッターズに所属。背番号は8。
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